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日常と学習をつなげるひと工夫! ~4年の「空気と水の性質」へつなぐアイデア~【理科専科.com】

 理科の学習が日常生活や今までの学習と繋がることで、子どもたちの興味・関心は高まります。そうすると、学習していることと関連のある自然事象を身の回りから見つけてくる子どもが出てきます。発見が発見を呼び、理科がさらに楽しくなっていきます。

 しかし、待っているだけではそのような姿はなかなか見られるようになりません。日常の中にあり、子どもたちも普段から目にしているような自然事象から導入したり、単元末に今回の学習が生かされている場面を紹介したりすることが必要です。今回は4年生の学習で日常と学習を繋げられる場面を紹介します。

空気と水の性質~消防士が背負っているのは、空気ボンベ?水ボンベ?~

 3年生の社会科では、消防や警察がまちの安全を守っていることを学習します。消防士は、防火服を着てボンベを担いで火を消す姿を写真などの資料で見ている子どもも多いと思います。もしかしたら、実際に消防署に見学に行ったり、学校に来てもらったりする体験をしているかもしれません。

 そこで、消防士が担いでいる「ボンベ」に着目します。もちろん、空気ボンベを担いでいると知っている子どももいると思います。しかし、消防士は火を消すのだから、「水ボンベ」を担いだ方がよいのではないかと考える子どもがいることも想定できます。消防士が担いでいるのはもちろん「水ボンベ」ではなくて「空気ボンベ」です。これは、空気は圧し縮めることができるが水は圧し縮められないことを学習していると説明できます。

 消防士が使っているボンベは、4L、6L、8Lがあります。例えば4Lのボンベには、1200Lの空気を圧し縮めて入れることができます。高い圧力で詰め込まれた空気は、圧し返す力もかなり強くなっています。適正な検査を受けているボンベは大丈夫ですが、安全性が認められていない物を使うと破裂して、破損個所が飛び散り大けがに繋がります。実際にそのような事故も起きています。ここでも、空気は圧すと体積は小さくなりますが、圧し返す力は大きくなるという学習を適用することができます。

 水は圧し縮めることができないので、4Lのボンベには水は4Lしか入りません。火事が起きて消防士が出動しなければならないような状況で、4Lの水ではおそらく消火できないでしょう。しかも、水は1Lで1kgにもなるので、重くて持ち運ぶのも大変です。だから、水ボンベを担いでいっても効率よい消火はできません。

 このように、理科で学習したことを他教科と繋げることで、これからの学習でも繋がりを見つけようとする子どもたちが育っていくと考えられます。

 また、消防士のボンベについては、導入で扱い、実際は空気が入っているということを確認して学習を始めていくことも考えられます。写真の様に、ビニル袋に空気を入れてどれだけの空気が入っているかを視覚的に捉えられるようにします。1200L入っているとすると、90Lの袋であれば約14袋分。空気を閉じ込めた袋を触ったり、圧してみたりすることで、「閉じ込めた空気は圧し縮めることができるのだろうか」といった理科の学習に繋がっていく問題を見いだすことができます。そして、空気と水の性質を学習した後、もう一度導入の消防士の話に戻れば、「そういうことだったのか!」と理解を深めることができます。

 まず教師が、理科の学習内容と他教科や日常との繋がりを見つけ、それをどこでどのように子どもたちに紹介すると効果的か考え、単元を構成してくことが大切です。そうすれば、子どもたち自身が日常を見つめ直すようになり、たくさんの発見をするようになります。学校の学習がきっかけとなり、家庭、地域と繋がることができるようにすると、学びに向かう力・人間性を涵養すすることにも繋がっていきます。

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