映像だけに頼らず身近な物を使った教材開発 ~6年「月の形と太陽」の教材開発~【理科専科.com】

1.月のクレーターを再現する実験
月の表面にあるクレーターは、石や岩が、月の表面にぶつかってできたと考えられています。そこで、クレーターを再現する実験をやってみましょう。バット容器に小麦粉を入れ、その上からココアパウダーをふりかけて月の表面を再現します。上から鉄球を落としてくぼませるとクレーターを再現できます。


大小いろいろな鉄球を落としてクレーターを再現してみましょう。
2.月の満ち欠け実験
なぜ月の形は毎日少しずつ変わって見えるのでしょうか。月の満ち欠けモデル実験を2つご紹介します。
(1)発泡スチロール球を月、照明を太陽、児童が地球として月の満ち欠けを再現する



発泡スチロール球に接着剤をつけ砂をかけると月の表面っぽくなります。部屋の真ん中に白熱電球(太陽)を置き、児童(地球)から月がどのように見えるか月の満ち欠けの実験を行いました。
【観察から見いださせたいこと】 ① 月の光っている側に太陽があること ② 日没直後に見える月は、光って見える部分が少しずつ増えていくこと |
(2)ボールを月、照明を太陽、児童が地球として月の満ち欠けを再現する
天井に月に見立てたボールを吊り下げて照明を当てます。児童はその周りをまわりながら観察します。その時にタブレットでボールにどのように光が当たっているか、写真を撮りながらまわります。





太陽(照明)と地球(観察する児童)の位置関係によって太陽の光が当たって明るく見える部分が少しずつ変わることがわかります。ただし、留意しなければいけないことは、実際は月が地球の周りをまわるのです。これは、あくまでもモデル実験ですので、地球(観察する児童)が月の周りをまわって観察します。このことを児童に理解させてから実験する必要があります。
3.ワークシートにまとめる
タブレットで撮影した写真を見ながら地球(自分)から見たときの月の明るい部分は黄色、影の部分は黒色をぬります。すると月と太陽の位置関係によって光が当たる部分が変わることが実感を伴って理解することができます。


授業の最後に、次のようなまとめを行います。
月の形が変わって見えるのは、太陽と月の位置関係が毎日少しずつ変わっていくため太陽の光が当たって明るく見える部分が少しずつ変わるからです。 |
4.児童の感想
映像を見るだけでなく、実際にボールに照明を当てて見ることによって月の形が変わる理由が理解できたことが感想からわかります。本物の月を観察したいという意欲付けにもなっていることがわかります。



5.おわりに
天候の影響を受けやすく資料や映像学習で終わってしまいがちな「月の形と太陽」の学習ですが、身近な物を使ってモデル実験をすることによって、子供達は実感を伴った理解ができます。この後は、この学習をふまえて実際に新月から三日月・半月・満月に月の形が少しずつ変わっていく様子を観察させていきます。
早速この流れを参考にさせていただきました!
短い単元でも、なかなかハードな内容だと思っているので
少しでも分かりやすく、楽しくやりたいですよね!
早速ご活用していただきありがとうございます。
月の観察は天気に左右されるので見せたい月の形が雨や曇りで見えない日があり、
苦慮していました。
そこから発案した教材です。