1. HOME
  2. ブログ
  3. 小学校
  4. 小学校理科の「問題解決の力」のゴールとは【理科専科.com】

小学校理科の「問題解決の力」のゴールとは【理科専科.com】

小学校理科の「問題解決の力」のゴールとは

小学校の理科教育では、周知のとおり、「問題解決の力」が重視されてきました。現行の学習指導要領では、各学年で主に育成を目指す「問題解決の力」として、第3学年では「差異点や共通点を基に問題を見いだす力」、第4学年では「根拠のある予想や仮説を発想する力」、第5学年では「解決の方法を発想する力」、第6学年では「より妥当な考えをつくり出す力」とされています。このような問題解決の力が備わった子どもの姿は、どのような姿でしょうか。筆者は、「問題解決の力」は、「問題の見いだし」「根拠のある予想や仮説の発想」「解決の方法の発想」「妥当な考えをつくり出す」と一つ一つがバラバラな力として身に付いているものではなく、総合して「問題を解決する力」が付いている姿でもあると考えています。当然、自分で「問題を見いだす」ことから「結論を導出する」ところまでができることをすべての子どもに求められているわけではありませんし、それを達成することは難しいでしょう。

心得1 問題を解決する力を養うために!

筆者が第6学年の担任をしたときの取り組みを紹介します。上述した、各学年で主に育成を目指す問題解決の力は、どの学校、どのクラスでも必ず育成されているとは限りません。私が第6学年の子どもたちを受けもった際も、「問題って自分が考えるの?」と子どもに言われたことを覚えています。これは、学校内で理科を重点的に研究していたり、理科に詳しい先生がどの学年にも携わっていたりしない限りは、全国的にみられる状況ではないでしょうか。そこで私は、年度初めの単元から、どの単元でどのように指導をしていけば「問題を解決する力」が身に付いていくのか、年間を見通して考えることからスタートしました。

小学校学習指導要領解説 理科P12

心得2 まずは、「問題解決とは」を子どもたちと考える

 子どもたち自身が問題を解決していくことを目標に、年度の始めのうちは、「予想に理由があると、より伝わりやすくなるんだね」や、「考察では結果とそこから考えたことを、予想と照らし合わせながら書いていると伝わるね」ということを、子どもの記述を基にしながらクラスみんなで考えることを大切にしていきました。6月には、「予想を確かめるために実験の方法を考えたけれど、方法がいくつもある」ところから、「自分の予想を解決するためにどの方法で実験してもよい」ことをクラスで確認し、実験分担しながら解決しました。また、単元末に新たな問題を見いだし、それぞれの問題に基づいて個人探究をする時間も設定しました。

心得3 身に付いた問題解決の力に応じて、指導方法を工夫する!

年間通して、すべての子どもにどの問題解決の力が身に付いていて、どのようなことに課題があるのかを把握し、指導を工夫しました。また、その単元でしか身に付かないような見方に関しても、働くように支援することが大切だと感じていました。例えば、土地のつくりと変化の単元では、学校のボーリング資料から空間的な広がりを多面的にとらえることが求められます。「多面的に考える」という課題も克服する機会となり、空間的な広がりに着目することも身に付けていきました。学年末に近づき、てこの規則性、水溶液の性質、電気の利用の単元では、部分的にではありましたが、学級の問題が設定されてからは結論を導出するまでを委ねたり、問題の見いだしから結論までを委ねたりと、「問題を解決する力」がどのくらい身に付いているか確認しました。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

\ 授業実践を紹介しませんか?Amazonギフト5000円進呈 /
授業実践を紹介しませんか?Amazonギフト5000円進呈
投稿方法はコチラ