理科を共に学ぶコミュニティーへの参加のススメ【理科専科.com】

こちらのサイトを見ている方は,理科専科の方が多いのではないかと思います。きっと授業づくりや教材づくりのヒントなどを求めてこられたのではないでしょうか。これまでは,隣のクラスの先生に聞くのが一番早かったかもしれません。
しかしながら,最近は全国的に理科専科を採用する学校が増加しています。理科専科は基本的に学校に1人しかいません。中には複数の学校を1人で担当しているケースもあります。そうすると,ますます日常の理科の授業づくりについて相談する機会も少なくなってしまいます。また,相談したところで,「ずいぶん前のことだったから忘れてしまったなぁ。」「学級園のことは先生にお任せしますね。」などというようになってしまいがちです。これらは今後ますます広がっていくものと思われます。
こうなってしまっては,専科になって間もない先生は,自分の理科の授業について自身がもてない状態のまま指導を続けることになってしまいます。もちろん近隣の学校にお願いをして授業を見せてもらうこともできますが,日常的にできるものではありません。
自己研鑽については,学習指導要領や指導書並びに各種書籍で学ぶこともできますが,やはりたくさんの先生方の意見も参考にしたいものです。そこで,様々な機会を活用して理科を学ぶ場を設定してはいかがでしょうか。ここでは,効果的な学習の場について紹介します。
1 WebページやSNSを活用する
今ご覧いただいている「理科専科.com」は,まさに指導技術の伝承を目指す取組です。Webページのよさは,全国各地の実践を瞬時に収集することができることです。今後実践が増えれば増えるほど先生方にとって必要な情報が手に入りやすくなることでしょう。閲覧は無料ですので,「いつでも」「気軽に」情報を得ることができます。
このようなWebやSNSを活用することで,たくさんの情報を収集することができますのでご自身に合った記事を探してみるのもよいでしょう。理科に関するWebページは他にもありますので,1つ紹介しておきます。
F・Rika https://www.facebook.com/groups/283337859251612/
Facebook上のコミュニティーです。現在500名以上の全国各地の先生方が登録しています。日々の実践を投稿・閲覧したり,授業づくりで困ったことなどを相談したりすることができるようになっています。また,不定期でイベントも開催しているようですので,たくさんの先生とオンライン・オフラインでつながりをもつことができます。
2 地域の公開授業や研修会に参加する
理科の公開授業を行う学校は多くはありませんが,附属学校などでは,研究大会等で授業を公開していることがあります。附属学校の多くは,これからの授業づくりについて先進的に研究を進めていますので,授業を参観することができるだけでなく,自身の研究を深めるにはお勧めです。また,教員養成系の大学では,定期的に学習会を開催している大学もあります。
3 理科の団体に所属する
全国的に理科教育を学ぶための組織がありますので紹介します。本WEBサイトでも団体や学習会をご紹介しています。
(1)SSTAソニー科学教育研究会 https://www.sony-ef.or.jp/ssta/ssta.html
ソニー科学研究会では,「科学が好きな子どもを育てる」ために、小中学校の教員が集まって理科授業の改善に取り組む研究会です。日本全国47支部、2000名を超える会員が各地で仲間と共に、指導案作りや教材作りを通して、理科教育の授業改善に取り組んでいます。また、若手教員や地域の理科教育のリーダーとなる教員の育成も行っています。
(2)全国小学校理科研究協議会 http://rika.e-kenkyu.net/
毎年,全国大会が行われています。令和6年度は広島大会が開催されます。毎年,会場となっている学校は,かなり前から文部科学省教育課程調査官や大学の教授など様々な方からの指導・助言を受けながら大会の準備を進めています。2日間にわたって全国各地から多くの先生方が参加されますので,つながりを深めるにもお勧めです。
(3)日本初等理科教育研究会 https://nisshori.smoosy.atlas.jp/ja
毎年,筑波大学附属小学校で中央夏期講座が行われ,多くの先生方で研修を深めています。また,定期的に小学校理科に関する勉強会「インクリメント(increment)」を開催しております。会員になると,会報「初等理科教育」電子版, 研究紀要が配付されるなど,優れた先生方の実践を学ぶことができます。
4 自分で学習会を作る
最後に少しエネルギーを使いますが,自分で学習会を開催するという方法があります。地域の理科教育にかかわっている先生と協力し合いながら理科の授業づくりについて研修を深めていくのです。地域の先生方と日常的に交流することはとても良い研修の機会となることに加え,気軽に相談し合える仲間づくりにつながるという利点もあります。対面での交流はもちろんのこと,Google WorkspaceやLineグループ等を活用して仲間づくりをすることができます。地域のつながりを深めるためにも検討していく価値はあると思います。

一人で学ぶことはやはり不安になりがちです。この「理科専科.com」をはじめとした多くのコミュニティーの中から自分に合ったものを見付けることで,理科の授業づくりが充実するものと思われます。
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