三日月を見たことがある?【理科専科.com】

6年生「月と太陽」の学習では、「月の形の見え方について、月と太陽の位置に着目して、それらの位置関係を多面的に調べる活動を通して、月の輝いている側に太陽があること。また、月の形の見え方は、太陽と月との位置関係によって変わること。」を理解できるようにします。この月の学習の導入に三日月を扱うことで意欲的に観察する子どもを育てることができます。
1 三日月を見たことがある?
三日月は月齢2前後、新月から二、三日後の細い月なので、町中では注意深く見ないと見つけることができません。意識して三日月を見たことがない大人も多いと考えられます。さらに、パソコン等で「みかづき」と入力すると「☾」と「☽」のどちらも出てくる。「三日月」のことを理解している人はあまり多くないのかもしれません。
事前に三日月の日を調べておき、その日に導入をします。まず、「三日月を見たことがある?」と問いかけると多くの子が、「ある!」と答えるでしょう。次に「では、今頭に浮かんでいる形と時間を書いてよう」と投げかけます。すると、形は「☾」と「☽」、太さもバラバラ。時間は夜の7時から10時頃と答える子どもが多いと思います。実は、今日は三日月の日らしいから、自分が予想した時間に見て、明日確認しようと話して授業を終えます。タブレット等の端末を持ち帰ることができたり、家庭に撮影できるICT機器があったりすれば、撮ってくるとよいことを伝えます。
2 三日月は見えたかな?
次の日、三日月を見ることができたか確認します。するとほとんどの子どもは見えなかったと答えると思います。夕方5時前後から6時頃までに観察した子どもやたまたま見つけられた子どもだけが見ることができるはずです。そこから、見ることができなかった原因は時間と細さであり、もっと早い時間に注意深く観察すれば見ることができたはずということが分かります。次の日からも観察を続けると、遅い時間でも月が見え、太くなり見付けやすくなってきます。その理由を説明するために、太陽との位置関係を学習していくという流れができます。

三日月
3 三日月が見られたら幸運!
三日月は夕方西の空で見ることができ、季節によっては日没後すぐに沈んでしまいます。見ることができる時間が短く、意識していないと見つけることが難しいため、「三日月を見つけられたら幸運がおとずれる」と言われています。そのような理由もあり、アクセサリーなどのモチーフとして使われることが多いわけです。三日月の観察を投げかけた後、そのような話をすると次の三日月が待ち遠しくなり、三日月を一生懸命見付けようとする子どもが多くなります。意欲的に観察を続けるきっかけにすることもできます。
4 反対側が光っている三日月を見るには?
三日月の形は観察によって「☽」ということが分かります。では、「☾」この形の月はいつ見ることができるのか。太陽と月の位置関係を学習していれば、東の空に太陽が昇ってきたときに太陽に近い東の空に見えることが分かります。そうなると、見ることができる時間は早朝。実際に観察しようとすると夏場はなかなか難しい。冬場は早起きしてまだうす暗い空に浮かぶ、細いきれいな月を観察することができます。この月は、多くの人にとって三日月以上に見ることが難しいと考えられます。そんなレアな月を観察したいという意欲をもって学習することで、モデル実験して月の形は太陽との位置関係によって変わることを理解したことを実際の観察に生かしていけるようにしたですね。

子どもたちにとって馴染みのある三日月からスタートするアイデア素敵です!
そして、見れると思ったのに見れなかった、という現実世界からの問題意識は、学びの意欲にとても繋がることが分かりました!
意識をしないとなかなか見上げない月を、自然と見てくれる子どもたちになってくれることを祈って、頑張っていきます!
コメントありがとうございます!
恥ずかしながら、この授業を構想するまで、自分自身が本当の三日月を見たことがなかったのです。見たことがある気になっていました。見た時は、感動しました。今では三日月の細い儚い感じが大好きになりました。その思いが子どもたちにも伝わり、中学生になった今も月を毎日のように見ている子もいると聞いています!