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「間違い探し」でチョウの観察を楽しく【理科専科.com】

 3年生の理科といえば、「植物」や「昆虫」の観察が思い浮かびますね。ヒマワリやホウセンカなどは種を植えて成長を見守ることができますが、昆虫はそう簡単にはいきません。特にアオムシなどの観察は、実物を用意できないことも多く、どうしても教科書の図や図鑑の写真に頼りがちです。ですが、「ただ観察してみよう!」だけでは、子どもたちの視点がぼんやりとしたままになってしまいがち。観察力を育てるには、「何を見ればいいのか」を具体的に意識させる工夫が必要です。

1.観察力を育てるには、やはり「問い」が大切

 例えば、ただ「アオムシを描いてみよう」と言っても、絵が苦手な子やアオムシを見たことがない子は、どこに頭があるのか、足はどこから生えているのかなどがわからず、ただの「想像」で終わってしまいます。これでは、観察の本質である「正確に見る力」が育ちません。そこで今回提案するのが、「間違い探し」です。これは、観察の視点を明確にし、楽しみながら自然と昆虫の特徴に気づくことができる方法です。

2.「間違い探し」を用いた観察の進め方

【準備するもの】
① アオムシのイラスト(足の本数や位置が異なるもの 複数枚 生成AIでも作成できる)
② 写真(教科書の挿絵でもよい)、または図鑑、可能なら実物
③ 観察カードあるいはタブレット

ステップ1 「ニセアオムシ」で問う

 まず、子どもたちに、用意したアオムシのイラストを見せ、「どちらが本物に近いと思う?」「このイラストって正しい?」と問いかけます。次に「どこが違うのか?」も合わせて考えさせると、自然と細部に目が向きます。そうすると、「足の数」「足の位置」「体の模様」などに気付く子も出てくるでしょう。

ステップ2 予想して描いてみる

 間違っているイラストの間違いを言わせたり、正しいと思うアオムシを描かせたりする。予想の段階なので、あまり時間をかけずに描かせたい。

ステップ3 「ニセアオムシ」と実物との比較

 実物のアオムシ(または写真)と見比べて、「どこが合っていたか」「どこが間違っていたか」を確認します。観察カードに描かせたり、タブレットで写真を撮ったりさせて記録します。絵が苦手な子がいる場合、トレーシングペーパーを使って教科書の挿絵をなぞってもらうのも、一つの方法です。これにより、「正しく観察する」ことに集中できます。

ステップ4 観察結果の共有

 子どもたちに気づいたことや発見したことを発表させます。グループでの共有や、全体での意見交換も効果的です。

3.成虫やサナギの観察でも使える!

 この活動は、アオムシだけでなく、サナギや成虫の観察にも応用できます。例えば、チョウの成虫では「頭」「胸」「腹」の位置や「触覚」「翅」の形を少しずつ変えたイラストを用意して、「間違い探し」をさせると、さらに観察の視点が広がります。「間違い探し」は、これから学習する昆虫のからだのつくりや、植物のからだのつくりでもできそうですね。微妙に違うだけで、ツッコミたくなりますね。

4.まとめ

 このように、「間違い探し」を通じて、ただ見るだけでなく、具体的な観察の視点を育むことができます。3年生の段階では、「正確に描く」ことよりも「体の特徴やその働きを理解すること」を重視し、理科を「楽しく学ぶ」ことを大切にしてほしいです。

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