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5-10-1-01 5年「振り子の運動」何を変えたらふりこの1往復の時間が変わるのだろうか【問題を見いだす授業展開モデル】【理科専科.com】

第5学年「ふりこ」メトロノームを用いた問題の見出し

1.「ふりこ」の問いの見出しの難しさ

 第5学年「ふりこ」の単元の問いの見出しの難しさは、「一往復あたりの時間」を子どもたちに着目させるところだと感じています。「ふりこを速くしたい。」「ふりこを遅くするにはどうしたらいいのだろう。」このような願いや疑問は自然事象との出合いで、自然に生まれてきます。しかし、ふりこの速さを変えるための変数(何を変えたら何が変わる)に着目させるところが難しいのです。

 また、ふりこの学習は、本市の教科書では9月に行うようになっていますが、「単位量あたりの大きさ」や「平均」を算数科でまだ学習をしていない状態です。そのため児童は、単位量あたりの大きさという概念があいまいなまま、「ふりこの何を変えたら1往復あたりの時間が変わるのだろうか」という問題を見出すことになるわけです。そして、ふりこの問題の見出しで児童が使いがちな「速さ」という言葉は,算数科では「単位時間あたりの進むきょり(スピード)」を扱うことが多いのですが,ふりこでは「1往復あたりの時間(タイム)」を考えるので混乱しやすいのです。

2.メトロノームを活用した問いの見出し 

 そこで以下のような授業展開モデルを考えました。

<授業の流れ>

①教師がティーボールをおもりとしてメトロノームのテンポ80に合うふりこを用意し,メトロノームとふりこが合っている様子を見せる。

②長さも重さも大きさもばらばらなふりこを児童全員分用意し,メトロノームのテンポに合わせてみる。

③合う児童と合わない児童がいることに気付き,自分のふりこがどうなったら合うのか考える。

④メトロノームのテンポの仕組みを教える。(テンポ80は1分間に80回カチカチと音がなること。つまり40往復に60秒かかっている。1往復だと1.5秒になる。)

⑤速さを変えるということは,1往復の時間を長くしたり短くしたりすることを確認する。

⑥メトロノームに合う人(先生)と合わない人のふりこは何が違うのか考える。

⑦変数(何を変えたら何が変わるのか)を見出し,問題を書く。

3.メトロノームを活用する良さ 

 メトロノームを活用する良さは以下のように整理できます。

①メトロノームのリズムの仕組みを説明することで,自然に1往復という言葉を出して速さの説明ができる。

②ふりこが音に合っているか合っていないかがよく分かる。何度もチャレンジしたが,曲にぴったり合うふりこを用意することが私自身難しかった。(児童の馴染みに曲から童謡まで何十曲も試してみたが,必ず途中でずれてしまった。)

③スケルトンのメトロノームを用意し,中の構造が見えるものを使用した。ふりこの活用で,メトロノームもまたふりこの動きを利用した道具だと気付かせることができる。

4.成果

 児童が次の理科の時間に生かせる問題を見出すことは、児童の実験計画の立案、実験、考察につながる単元全体の学習の肝となる活動であると感じました。そして今回全員がB評価以上の問題をノートに書くことができたことは大きな成果でした。(A評価60%)また問題の見出しが他教科においてできる場面も増えました。引き続き実践を続けていきたい。

【参考文献】第57回全国小学校理科研究協議会研究大会広島大会 研究冊子(2024)P54-55

詳しくはこちらの動画もご覧ください

【全学習場面での導入事例を共有しようプロジェクト】ー 問題を見いだす授業がいかに難しいかということを再認識されてきています。3年生から6年生まで約130場面ある各授業場面での授業展開モデルご紹介し、授業づくりの参考にしていただければと思います。題して、問題を見いだす「授業展開モデル」大公開!「全学習場面での導入事例を共有しよう」プロジェクトです。ご紹介している授業展開モデルは、子どもたちに確認できていない展開が多く含まれます。やってみたけど実際にこうなったなど、お寄せいただければ、随時その情報を更新し、より使える授業展開モデル集として今後使えるようになるのではないかと考えています。また、授業展開は教材や先生の重点置き方で変わります。新しい授業展開があれば内容を確認し、執筆者の先生をご紹介した上で掲載いたします。ぜひ、みなさんの知恵を集めて今後の授業者のために蓄積していきませんか?

*わ

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