まずは観察から、水の沸騰を見て問題づくり ~4年「水のすがたと温度」~【理科専科.com】

はじめに、やかんを使って水を熱する様子を教師が演示し、水を熱しているときの変化に興味を持たせます。やかんの中は見えないので、中はどうなっているのか知りたくなったところでビーカーを使って子ども自身で水を熱し沸騰の様子を観察させます。これらの活動を通して、加熱前後の水の様子を比較する中で気付いたことや疑問に思ったことを話し合わせ、温度変化にともなう水のすがたの変化についての問題づくりを行います。
単元導入(本時)の流れ
はじめに、やかんで水を熱する様子を教師が演示実験し、子どもたちに気付いたことを発表させます。

C: やかんの口から湯気が出てきた。
C: やかんの中で音がする。
(やかんの中の様子を知りたくなったところで)
T: じゃあ、中が見えるようにして水を熱してみようか。
次にビーカーを使って子どもたち自身で水を熱し、沸騰の様子を観察します。

ポイント
- やかんの水は、あらかじめ熱しておいてすぐに沸騰するようにしておくとスムーズに授業を進めることができます。
- 導入で水を熱する活動を行わないまま、すぐに水を熱したときの温度を測定する実験を行うと、子ども達は、水を熱しているときにどんな変化が起きているのか見通しのない状態で実験を行うことになります。
- あらかじめ水を熱して沸騰するまでの様子をじっくり観察しておくことで、変化についての見通しを持ちながら実験を行うことができます。また、この活動を行うことで単元に関わる問題を複数見出すことができるため、単元全体の問題解決の見通しがつきやすくなります。
- グループごとにビーカーに入れた水を熱し、起こった変化を観察する。タブレットで動画を撮って、あとで確認できるようにする。
子どもたちとのやりとり
T: 熱した水にどんな変化が起こったか観察して気付いたことや疑問に思ったことを記録してください。
では、実験はじめ。
T: 水を熱したときにどんなことに気付きましたか。
C: ビーカーの上から湯気が出ていた。
C: ビーカーの中にあわが出てきた。
C: ビーカーの水がへっていた。
T: 疑問に思ったことや詳しく調べてみたいことはあるかな。
C: 水は温度が何度まで上がるのか知りたい。
C: 湯気やあわの正体は何か知りたい。
C: なぜ水がへったのか知りたい。
子どもたちから気付きや疑問を引き出すために教師が意図的に働きかけることで、子ども自身が調べたくなる問題を見 出すようにすることが大切です。
子どもたちの予想や疑問から、これから調べていく問題を整理する。
子どもたちと見出した学習問題
水を熱すると水の様子や温度はどのように変わるのだろうか。
湯気の正体は何か。
熱したときに出てくるあわの正体は何か。
なぜ水を熱すると水がへるのか。
ポイント
- 時間短縮のために、グループごとではなく、教師の演示で水を熱したときの様子を観察させる場合は、ビーカーのかわりにガラス製のティーポットを使うと中身が見えてわかりやすいです。
- 教師の演示で行う場合は、気付きや疑問を出させ、それらを学級全体で共有することに重点を置くことで見通しを持って学習に取り組むことができます。
単元の展開
- 単元導入(本時)
- 水を熱したときの様子と温度の変化
- 湯気とあわの正体
- 水を冷やしたときの様子や温度の変化
自分たちで見出した問題を解決していくという展開にしていきます。
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