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「土地のつくりと変化」の問題の見いだし(裏ワザ付)【理科専科.com】

理科の授業を続けていると,指導しやすい単元と指導しにくい単元があります。私は,これまで主に地球領域に教えにくさを感じていました。要因として,提示,観察できる対象が身近にないことによって,着目させるべき視点に迫ることができず,十分に子どもに問題意識をもたせられなかったことがあげられます。しかしながら,このような場合においても工夫次第では,問題を見いだせることができるようになりました。ここでは,6年地球領域の「土地のつくりと変化」の学習における自然事象に対する気付きから,着目させる視点を明らかにして,子どもが自ら問題を見いだす場面について紹介します。

ところで,みなさんの学校の周辺で地層を観察できるところはあるでしょうか。おそらく「ない」と答える方が多いのではないでしょうか。そうすると教科書の写真を見せながらイメージを膨らませていくことになるのですが,ここで大切なのは,注目および着目させる視点を明確にもって指導を行うことです。

土地のつくりと変化は,学習指導要領の柱書の部分は次のようになっています。

土地のつくりと変化について,土地やその中に含まれる物に着目して,土地のつくりやでき方を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。(太字は加藤)

つまり,単元の導入場面で,土地やその中に含まれるものに着目することができないと,この単元の学習が子どもにとって受け身になってしまうのです。ですから,土地やその中に含まれるものに着目できるような展開を工夫する必要があるということです。

そこで,問題を見いだすまでには次のような4つの段階で進めていくとよいでしょう。

 このような段階を通して,事象に注目させ,そこから単元のねらいに迫るための着目させるべき視点をもたせていくことで,子ども自身が問題を見いだすことにつながります。身近に観察の対象がない場合であっても,段階を通して指導を工夫をすることで,子どもの学習意欲を高めることができ,かつ単元のねらいに応じた学習を進めていくことにつながります。

最後に,準備は大変ですが,子どもが単元に夢中になる裏ワザを紹介します。先述のように,単元の導入では,地層を見に行くことができないのであれば,教科書やインターネットの画像を中心に進めていくことが多いと思います。しかし,ここで「ある裏ワザ」を紹介します。

地層を見に行くことができないのであれば,「地層を持ってくる」のです。一体どういうことかと思う方もいらっしゃると思いますので,下の写真をご覧ください。

これは,地域の地層を採取したものです。「実際に行くことができないのであれば,持ってきたらいい。」という逆転の発想です。現場に行って採取したものを提示するのです。採取した地層は先述した場面で言うと「段階3」の場面に提示します。実際の地層に触れることで,地層の感触を確かめることができるとともに,地層の学習に対する興味や関心が一段と高まるでしょう。

なお,この地層を採取するための材料は大阪の三恒商事株式会社で販売している「トマックNS-10」というものを使用しています。一度採取したらしばらく使えるので興味のある方は試してみてはいかがでしょう。

参考文献 

・小学校学習指導要領(平成29年告示)解説理科編 文部科学省  

・「問題を見いだす」理科授業(2024) 寺本貴啓・有本淳編著 東洋館出版社

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